※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。
万博の影に蠢く異形の気配──大阪で進行する〈黄衣の啓示〉とは?
2025年の大阪・関西万博に向け、街の熱気が日に日に高まるなか、奇怪な噂と事件が相次いで報告されている。市民の誰もがまだその正体を掴めていないが、大阪湾に近づくほど空気がざわつき、耳鳴りや幻覚に襲われるという声が後を絶たない。特に、舞洲周辺では「黄衣をまとった男」や「肉の祭壇を祀る民」の目撃情報が複数寄せられており、ネット上ではこれらを総称して《黄衣の啓示》と呼ぶ動きが出てきている。
EVバスと〈沈黙の回廊〉計画
大阪市交通局は万博に合わせて新型EVバスの運行を開始し、舞洲〜天保山〜大阪駅前のルートを強化した。しかし、増便されたバスの一部で「車内が異様に寒くなる」「全ての広告が謎の図形に置き換わる」「降りたはずの客が姿を消している」といった証言が報告されている。
また、4月30日に導入された車両5号には、乗客が「窓の外に立ち並ぶ黒い尖塔群と、海から這い上がる無数の触手を見た」という記録がある。このバスのGPSデータによると、実際には10分間、航跡が完全に消えており、その間の乗員・乗客の記憶も曖昧だという。
識者の一部はこの現象を「都市構造に刻まれた幾何学的パターンが、別次元を接続する〈回廊〉を開いた可能性がある」と警告。万博の開催地に隠された建築構造が、旧支配者への通路を開きつつあるという説も出始めている。
「THE MEAT OSAKA」に潜む供物儀式
肉の祭典「THE MEAT OSAKA」が4月26日から長居公園で開催され、連日多くの来場者で賑わっている。しかし、この祭りの出店の一部において「常識を超えた風味の肉」が提供されているとSNS上で物議を醸している。
地元の主婦(仮名:Fさん)はこう証言する。
「最初は牛タンかと思ったけど、食べているうちに脳の奥から誰かの記憶が流れ込んでくるような、そんな感じがして……味じゃなくて、記憶が染み込んでいるんです。あれは食べ物じゃない」
この出店は、他と違い、木製の異国風パビリオンのような構造で、内部には「星の吸血者」の神官と名乗る人物がいたという。会場スタッフは「演出の一環」として説明しているが、祭壇らしきものや、肉に刻まれた「黄色の王」の印章が目撃されており、単なるフェスティバルではないとの声が高まっている。
ギャンブル依存症対策月間に現れた〈運命の書記〉
5月に入り、大阪府が進めるギャンブル依存症と孤独対策月間がスタートした。その一環として、アリオ八尾で開催された「折り鶴ワークショップ」では、参加者が折った鶴が全て同一の折り方・寸法であったという奇妙な現象が発生。しかも、それらの折り鶴の陰に、古代文字らしき記号が浮かび上がったことが確認された。
この現象は、クトゥルフ神話研究者の間では「運命の書記ニャルラトホテプによる干渉」とされており、「孤独とはただの感情ではなく、次元の綻びそのものである」という解釈が浮上している。
さらに、イベント参加者の中にはその後、連続してパチンコ・競馬で大勝しながらも、次第に「夢の中で奈落の深淵を彷徨うようになった」と語る者が現れ、これがギャンブル依存症ではなく“〈外なる力への接続〉の前兆”である可能性が議論されている。
毒物紛失事件──「青い死の言語」の覚醒
大阪公立大学で紛失したとされる青酸カリと青酸ソーダに関連して、元大学院生の男が逮捕された。だが、内部告発によると、この研究室は「人間の神経系と古代神の通信媒体との接続」に関する非公式な研究を進めていた疑いがある。
男の部屋からは青酸系化学式をベースにした謎の言語体系と、「青い死の旋律」と題された楽譜が発見された。これを再生した際、周囲の電子機器が一時的に全て機能を停止し、猫が窓ガラス越しに虚空へ向かってひたすら鳴き続けるという異常が発生したという。
大阪府知事はこの事件を受け、「万博を前に、未確認異常活動の根絶に全力で取り組む」とコメントしたが、その瞳の奥に、一瞬、星の輝きを宿した何かが見えたという記者の証言も残されている。
深淵からの囁き──そして黄衣の男は語った
5月2日夜、大阪駅前にて、全身黄色のローブを纏い、顔を仮面で隠した人物が突如現れた。周囲にいた数名が、その姿を一目見た瞬間に失神。仮面の男は、倒れた者たちに向けて低くこう語ったとされる。
「汝らの都市は完成に近づいた。我が王、ハスターの舞台は整った。舞洲より門が開かれ、肉が歌い、都市は踊る。万博とは、我らの復活劇。歓喜せよ、恐怖に身を委ねよ。黄衣の時代が始まる──」
その後、男は霞のように消えた。映像記録は一切残されておらず、現場周辺の監視カメラも全てノイズを記録していた。
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