※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。
地下5階に現れた“螺旋の門”
4月26日未明、清掃業者の男性が地下5階の資材庫にて“異常な音”を聞いたという。音は、明確な発声ではなく、心の内側に直接語りかけてくるような、湿り気を帯びた囁きだった。
後日、建物の構造チェックのため地下区画が調査されたところ、図面には存在しない“螺旋状の階段”が発見された。この階段は、奇妙な意匠のレリーフに囲まれており、壁面には「Y’ha-nthlei(イハ=ンスレイ)」の文字が刻まれていた。これは、海底都市ルルイエの近傍に存在するとされる、クトゥルフ信仰に関わる深きものどもの集落の名である。
名古屋大学の神話民俗学研究会の准教授・伊佐木博士は、匿名を条件にこう語る。
「中日ビルの旧構造は戦前の地下防空施設を一部転用している可能性があります。その深層構造に、旧支配者の封印と関わる結界が残されていたのではないかと……。特に“螺旋”と“深きもの”の象徴は、クトゥルフ神話において顕著です。」
「ミュージアム」の背後に潜む儀式
5月4日に開業予定の「ミュージアム ナゴヤ」は、一見するとファミリー層や若者をターゲットにしたユーモラスな企画に見えるが、その装飾と設計に、古代シュブ=ニグラス信仰に用いられた「肥沃の象徴」が多く含まれているという指摘もある。
実際、開業準備期間中に施設内部で撮影されたスタッフの映像には、壁面に現れる一時的な黒い蠕動(ぜんどう)模様や、不規則な歯型のような痕跡が記録されている。それらは人為的なものではなく、建材内部から浮き出してきたという。
元スタッフの証言によれば、開業前夜、関係者のみで行われた“試験イベント”の最中、展示エリア中央の巨大便座型オブジェが自律的に振動を始め、重低音のような「唸り声」が空間全体に広がったとのこと。複数のスタッフが鼻血を出し、その場で嘔吐したという報告もある。
「これは笑いと排泄の表象を隠れ蓑にした“生贄の儀式”だったのではないか」と囁かれている。
高速道路に現れた“逆走者”の異常性
5月2日、ゴールデンウィークを目前に控えた名古屋近郊の東名高速道路で、逆走車が発見された。この事故は表向きには高齢ドライバーのミスとされているが、実際にドライブレコーダーに記録された映像には、現実では説明のつかない“空間の捻じれ”と、それに吸い寄せられるように車が反転する様子が収められていた。
NEXCO中日本が提供した内部報告書には、問題のエリア周辺にて不可解な磁場の変動が観測されており、一時的にGPS信号も乱れていたことが明らかにされている。また、事故車両の車内からは、濡れた羊皮紙に刻まれた見慣れぬ印章と、名状しがたい粘液のような物質が発見された。
「この一帯に、“ナイアルラトホテップの使徒”が一時的に現出していた可能性がある」とする専門家もおり、愛知県警では特殊事象に関する非公開調査を進めているとされる。
名大発がん検査企業「クライフ」の技術に疑念
名古屋大学発のバイオベンチャー「クライフ」は、尿からがんリスクを判別する新型検査キット「マイシグナル・ライト」を発表し話題を呼んだ。しかし、一部の被験者から「検査中に夢で古代の神殿に誘われた」「体内に異なる“意識”が宿った」など、精神的な異変が報告されている。
同社の開発資料によれば、尿中に存在する“特異タンパク質”を検出するために、“HPLP(Hyper-Poly Luminiferous Protein)”と呼ばれる未知の物質を使用しているが、これは地球由来のものではないと推測する研究者もいる。クトゥルフ神話において、人体から情報を抽出する技術は、かの忌まわしき「ミ=ゴ」の遺産に類似している。
中日ビル開業イベントに出現した“何か”
4月27日に行われた中日ビル開業記念イベントには、人気アーティストLiSAが登壇し、多くのファンが詰めかけたが、イベント後、周囲で“記憶の断片化”や“時間の混濁”を訴える者が続出した。
録音された音声を逆再生すると、「Ia! Shub-Niggurath!」という古の呼び声が浮かび上がったとの報告もある。さらに、公式マスコット「ドアラ」がイベント中に見せた“通常と異なる動き”――とつぜん空を指差し奇声を上げるなど――は、明らかに“降臨”の徴候を示していたと、オカルト研究者の間では話題になっている。
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