※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。
「さくらまつり」に舞い散る蠢く異形の影
名古屋で開催される夜景と桜のプロジェクションマッピングイベント「さくらまつり」。
しかし、初日の夜に異変が起きた。来場者の何人かが「桜の映像の中に、異形の影が混ざっている」と語り始めたのだ。
影は、花びらの間を滑るように這い、まるで何かが「覗いている」かのようだったという。さらに、ライトアップの明かりが一瞬消えたかと思うと、空には不可思議な文様が映し出され、多くの人々が一時的な眩暈や吐き気を訴えた。
市の関係者は「単なる機材トラブルであり、来場者の健康に影響はない」と説明しているが、その後も“ささやき声”が聞こえたと証言する者が後を絶たない。ある観覧者は、タワーの展望台から下を見下ろした際、「桜の海の中に、数え切れぬ無数の目が開いていた」と語っており、オカルト愛好家の間で話題になっている。
「城まつり」に異端の城郭図が出現
名古屋市中小企業振興会館で開かれた「城まつり」。全国の城の歴史と魅力を伝えるこのイベントにおいて、奇妙な展示品が発見された。
それは、出展者の誰も展示した記憶のない、古びた巻物だった。巻物には名古屋城と酷似した構造の城が描かれていたが、その周囲には見慣れぬ塔がいくつも林立し、屋根の瓦には意味不明な象形文字のような刻印があった。
さらに奇妙なことに、この巻物を見た人々の中に、夜ごと「城の地下深くで蠢く何か」を夢に見る者が現れ始めた。彼らの証言によれば、地下には数百本もの触手が渦巻き、不気味な讃歌が響いていたという。
巻物は現在、市の文化財課が調査中だが、専門家の間でもその出自は不明とされている。
「県民の日学校ホリデー」の中止に潜む“封印”の意図
名古屋市は「県民の日学校ホリデー」への不参加を決定したが、内部関係者から漏れた情報によると、この決定の背後には「未曾有の脅威」が関係しているという。
市の一部地域で、児童・生徒の間に原因不明の集団幻覚症状が発生していたのだ。彼らは、授業中に突然筆記をやめ、同じ言葉を呟き続けたという。
「イア!イア!クトゥルフ・フタグン!」
また、彼らのノートには無意識のうちに、意味不明な図形や螺旋状の線が書かれていた。医学的調査の結果、子供たちには特に異常は見られず、翌日には何事もなかったように日常生活に戻ったが、教育委員会は「何らかの心理的影響の可能性がある」として、学校ホリデーを急遽見送ったとされている。
名古屋市、マイナンバー利活用条例案の裏に潜む“同一化の儀式”
名古屋市は、マイナンバーの利活用に関する条例案を可決し、翌日の本会議で正式に成立する見通しとなった。しかし、オカルト研究者の間では、この条例案が「名状しがたき儀式の一環」である可能性が指摘されている。
この条例により、市民一人ひとりが管理番号を割り振られ、それが統合的に管理されることとなる。しかし、数秘学者らはこの番号の割り振りパターンに奇妙な規則性があることを発見した。
ある番号群は、旧約聖書の外典に登場する「失われた神々の名」の数値変換と一致しているという。また、マイナンバーのデータベースにアクセスした技術者の証言によれば、時折「本来存在しないはずの名前」が一瞬表示されることがあったという。
その名は、「ニャルラトホテプ」。
この情報は速やかに秘匿され、技術者には口外禁止の誓約が課せられたが、市民の間では「この条例案を通じて、名古屋市全体が異界の存在に飲み込まれようとしているのではないか」という噂が囁かれている。
夜空に浮かぶ“名状しがたい門”
深夜、市内の至るところで奇妙な現象が報告された。
一部の目撃者は、夜空に巨大な“円形の門”が開いていたと証言する。それは決して肉眼でははっきりと捉えられるものではなく、「視界の端に映るような感覚」で認識されたという。
その門の向こうには、どこかの都市の風景が広がっていた。しかし、それは名古屋ではなかった。
見慣れぬ高層ビル群、空に漂う不気味な光、異形の建造物──そして、何よりも恐ろしいのは、その都市の“住人”だった。彼らは人間に似てはいたが、全身が灰色がかった鱗に覆われ、目は闇のように深く、まるで底なしの奈落を覗き込むような感覚を覚えたと目撃者は語る。
翌朝、名古屋市内の至るところに奇妙な螺旋状の模様が現れていた。アスファルトの道路に、建物の壁に、そして、市民の肌の上にも──。
市の公式発表では「悪質ないたずらによる落書き」として処理されたが、ある神話研究者は断言する。
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