名古屋神報 二〇二五・〇四・十二【特別養護老人ホーム周辺に「異音」「幻視」の報告相次ぐ】

名古屋

※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。

特別養護老人ホーム周辺に「異音」「幻視」の報告相次ぐ

4月5日午前10時23分ごろ、名古屋市西区花の木にて発生したクレーン車転倒事故について、現場周辺で不可解な現象が複数報告されていたことが独自取材により明らかとなった。

事故は、住宅建設現場で作業中の大型クレーン車が突然バランスを崩し、隣接する特別養護老人ホーム「華影苑」に倒れこむ形で発生。幸いにも人的被害は確認されていないが、施設の外壁や電線、駐車中の車両に甚大な損害を与えた。

しかし、本件の核心は機械的故障や作業ミスの域を超えている可能性が浮上している。


作業員が「耳鳴り」「咆哮」「幻視」訴える

事故の前日から、現場の作業員の一部が「原因不明の耳鳴り」「地中から響くような咆哮」「言葉では説明できない像を脳裏に焼き付けられた」と証言している。

「杭打ち作業中、クレーンの下に掘り下げた地層から、異様な文様が彫られた黒い石板のようなものが出土した。最初は遺跡か何かかと思ったが、それに触れた仲間が急に嘔吐して、わけのわからない言語を口走り始めたんです」——作業員・N氏(仮名)

その黒い石板には、円形の螺旋文様と奇怪な触手のような絵柄が刻まれており、まるで地中深くに封印されていた何かの“印”であったという。

現場監督はそれを一時的に保管していたが、翌朝には石板が忽然と姿を消していたという記録もある。


老人ホーム職員・入所者が「声を聞いた」と証言

事故が起きた隣接の老人ホーム「華影苑」では、事故前夜から複数の入所者が「天井から這い寄る声が聞こえる」「海の底から呼ぶ者がいる」「夢に黒い塔が現れる」と語っていた。施設職員も、夜間に非常灯が頻繁に点滅し、監視カメラに“ノイズのような人影”が映り込む異常を確認している。

ある入所者(89歳女性)は、「夢で、古い海の神が目を覚ます場面を見た」と証言。その後、彼女は意味不明の文言を何度も繰り返し唱えるようになった。

“テケリ・リ……イア!イア!……ナグル=ファイ、クトゥルフ・フタグン……”

この発言の記録は、のちに神話研究家らによって「古の言語」——ルルイエ語に極めて酷似しているとされた。


神話研究者・岡山教授「旧支配者の『封印』に触れた可能性」

名古屋市立大学・神秘思想学の岡山暁教授は、今回の事故および異常現象について以下のように分析する。

「この地は、遥か太古、名古屋湾から続く“深きもの”の聖域の一部だったとされる。地下に埋もれた『旧き印』は、クトゥルフ神話においては旧支配者たちの封印に用いられるものとされており、今回の事故はその封印が人間の手によって不意に“綻びた”象徴と見なすことができる」

岡山教授によれば、黒い石板は「ナグ=サウスの碑」と呼ばれ、太古の海底都市ルルイエから飛来した断片の一つと一致する可能性が高いという。

「このままでは“呼び声”が強まり、名古屋一帯が‘沈みし神々の眠り’に巻き込まれる恐れすらある」——岡山教授談。


市は黙秘、公安は不自然な現場封鎖

なお、名古屋市および現場管轄の建設会社は、本件に関するコメントを一切拒否。事故現場は事故翌日から「地質調査」を名目に完全封鎖され、関係者以外の立ち入りが一切禁止されている。

また、公安関係者と思しき私服の男たちが現場周辺を巡回しており、近隣住民の一部からは「なにかを掘り出しているようだった」との証言もある。

さらに、近隣住民の一部が深夜、海の方角に向かって行進する“夢遊病者のような集団”を目撃したと証言しており、「何かが名古屋の地で目覚めつつある」という都市伝説が静かに広がっている。

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