※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。
地底の神々との接触か——リニア掘削工事に潜む“旧支配者”の影
4月19日、名古屋市内において、リニア中央新幹線の本格トンネル掘削工事が開始された。この工事は名古屋駅北側から春日井市へ至る約7.6キロメートルの地下を貫通する計画で、2025年冬の開通に向けて着々と進められている。だが、先週、この地中掘削に関連して一連の奇怪な事象が報告され、関係者や地元住民の間で不安と混乱が広がっている。
異常地層と“有機的振動”
4月22日、JR東海の地質調査チームが地下約30メートル地点で「有機的なパターンを含む非自然な地層」を発見した。通常の堆積構造とは異なり、その層には繰り返される渦巻状の痕跡や、表面が“軟質な角質”のような質感を帯びており、地質学者たちは「非地球的な」生成過程を指摘している。
さらに、調査機器がその層を通過した際、地中から微弱な振動音が発せられ、音波分析により「一定の周期を持つ生物的リズム」が含まれていたことが判明した。ある科学者はその波形について「まるで深海で交信する巨大生物の鼓動のようだ」と形容した。
共済組合職員の“夢と幻視”
その翌日、名古屋市職員共済組合に勤務する64歳の男性職員が突如「神々の囁きが財布の中から聞こえる」と主張し、精神錯乱状態で保護された。調査の結果、彼は2025年4月にかけて約519万円を不正に引き出していたが、その動機について尋ねられると、「ナガシュトからの啓示によって資金を捧げるよう命じられた」「貯蓄とは、この時のためにある」と語った。
彼の自宅からは、不可解な螺旋図形が刻まれた黒い粘土板が多数押収され、粘土の成分はトチカラ鉱山付近の未知の鉱石と類似していた。また、夢日記には「イーハ=ナグルの祭壇」「光なき空に浮かぶ都市」「這い寄るものの名前を刻め」といった記述が確認された。
“避暑スポット”指定施設で発生した不可視の冷気
名古屋市が推進する「避暑やすみスポット」事業に指定された中区の公共施設において、4月23日午前、突如として室温が摂氏4度まで低下し、施設全体が数分間“不可視の霧”に包まれた。監視カメラの映像はその瞬間、砂嵐のようなノイズに覆われ、霧の中で「首のない人影」が数体浮かび上がっていたという報告もある。
現場に居合わせた市民は、「時間が歪んだように感じた。自分の影が天井にまで伸び、誰かの耳元で囁く声がした」と語った。この現象は、施設の空調システムや電源に異常がないことから、物理的原因では説明がつかず、一部では「外的干渉による空間的ひずみ」との見解も出ている。
名古屋市科学館に届いた“DNAの禁書”
同期間中、名古屋市科学館で開催されていた特別展「古代DNA -日本人のきた道-」の展示に紛れて、一冊の出所不明の古文書が発見された。タイトルは『D・N・A:深淵より来たる血』と記され、羊皮紙にヘブライ語・シュメール語・ルーン文字・未知の象形文字が混在する奇書であった。
解読作業に当たった研究員によると、この書は「人類の起源が地球外存在の遺伝子改変によるものである」と記し、「Y染色体はヨグ=ソトースの階梯を示す鍵」とまで断じていた。科学館はこの書を非公開にし、保管を名古屋大学文献研究室に委託する方針を発表したが、その後同大学の一部研究棟で夜間に“複数の人影が壁をすり抜ける”との通報が相次いでいる。
SDGs助成金に群がる“異端の団体”
また、市が創設した「なごや環境SDGs事業促進助成金」には、正体不明の団体「青き星の子ら」や「偉大なる眠れるものに捧ぐ会」など、これまで確認されていなかった宗教的・秘教的団体の申請が相次いでいる。
それらの団体が提出した活動計画には、「都市の精神的汚染を浄化するための詠唱儀式」「異星元素の回収と神聖保存」「天体配列に基づく時間の再調整」など、理解不能な文言が多く含まれていた。
市はこれらの団体について調査を開始したが、その多くが連絡不能となっており、関係者の中には「彼らは“来訪者を迎える準備”をしていたのではないか」と懸念を示している。
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