※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。
「旧神の囁き、渋谷を包む」―路上飲酒規制の陰で進行する異界化の兆候
4月、東京都渋谷区では、路上飲酒の通年禁止条例の検討が進められている。この表向きの動きの背後で、一部の行政関係者や民間調査団体の間で、「異常な心理的現象」や「現実の歪み」を訴える報告が急増していることが明らかになった。専門家の中には、「これはクトゥルフ神話に記される“都市の変容”に類似した現象だ」と警鐘を鳴らす声もある。
路上飲酒禁止の裏に潜む「無形の宴(インヴィジブル・バッカナリア)」
渋谷区の担当者によれば、条例強化の理由は「夜間の騒音やゴミの増加」とされているが、実際にはその裏で“集団幻覚”とも言える不可解な現象が報告されている。
区役所近くのビルに勤める職員はこう語る。
「夜10時を過ぎると、路上で酩酊した人々が、誰もいない方向に向かって乾杯していたり、“泡立つ黒い影”に話しかけたりしているのを見かけます。あれは…酒のせいだけではありません」
民間オカルト研究機関「深淵思索会(シンカーズ・アビス)」が収集した報告によれば、渋谷の特定エリアにおいて“透明な存在と乾杯する行為”が多発しており、それはクトゥルフ神話に登場する旧支配者「シュブ=ニグラス」にまつわる儀式の一部と類似しているという。
「それは酒宴ではなく、異界の存在との契約行為です」
——深淵思索会・代表 久住博士
港区長選の背後に「深きものども」の影
4月2日、港区長選で当選した清家愛氏は、政治経験のない無所属の新人だった。その快進撃の裏に、不気味な噂がささやかれている。
ある報道関係者は匿名を条件にこう語る。
「選挙活動中、彼女が演説していたとされる場所には、必ず“潮の香り”と“耳鳴り”が残されていた。選挙ポスターには肉眼では見えない“螺旋の紋章”が浮かび上がるという報告もあります」
この「螺旋の紋章」は、海洋系邪神「ダゴン」や「ハイドラ」の使徒に共通する象徴とされ、かつてニューポートで発見された“深きものども”の遺物に刻まれていたものと酷似している。
一部のオカルトフォーラムでは、「清家氏が“深きもの”との血縁を持っているのではないか」という仮説まで浮上している。
渋谷で発生したひったくり事件――目的はバッグの中身ではなかった
4月上旬、渋谷区内で発生した高級ブランド「シャネル」のバッグを狙ったひったくり事件。そのバッグの中にはカルティエの腕時計があったと報道されたが、捜査資料によれば、もうひとつ不可解な「巻物の断片」が含まれていたという。
渋谷署の関係者は匿名で語る。
「容疑者は取り調べ中、“アザトースの律法が刻まれていた”と叫びながら失禁した。彼は腕時計を盗むために犯行に及んだのではないとしか思えない」
この巻物は、19世紀に失われたとされる「狂えるアラブ人 アブドゥル・アルハザード」の写本の断片である可能性があり、現在は公安部の特別対策課が極秘に保管しているとされる。
品川区火災の原因は「物理法則の逸脱」か
品川区東大井で発生した住宅火災は、初期報道では電気系統のトラブルと見られていたが、火災現場を調査した消防関係者の報告書には「時間の流れの不連続性」「燃焼跡のパターンがフラクタル構造を持っていた」との記録が残っている。
「我々が見たのは“燃えていく過去”だったのかもしれません。火災ではなく、記憶の炎か…」
——消防調査官・栗原
この現象は、クトゥルフ神話における時間を操る神「ヨグ=ソトース」の干渉と結びつけられることがある。現場周辺では一時的に「時計が逆回転した」という市民の証言も複数寄せられている。
中野区「こどもでぱーと」は“若き神々”の育成施設か?
中野区に新たにオープンした子育て支援施設「こどもでぱーと」は、一見すると現代的な教育施設だが、その内部構造に奇妙な点が指摘されている。
見学した保護者によれば、「部屋の形が常に変わっていた」「子供が意味不明な言語を話すようになった」「地下に巨大な回廊がある」といった証言が後を絶たない。
「子供たちは“名を持たぬもの”と会話していた。あれは学習ではなく召喚だった」
——元職員・T氏(失踪中)
一部の神話研究家は、この施設が“ナイアルラトホテップ”が人類に接触するための媒介拠点となっている可能性を示唆している。
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