東京新邪 2025年04月26日【原宿に開業した新施設「ハラカド」】

東京

※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。

原宿に開業した新施設「ハラカド」、地下に眠る旧支配者の鼓動――短時間停電と奇妙な囁きの真相とは

4月17日、東京・原宿に新たな複合商業施設「ハラカド」が開業し、多くの来場者でにぎわいを見せた。老舗銭湯「小杉湯」による新業態の施設や、編集者と作家の協働スペース、デジタルアートギャラリーなど、先端と伝統を融合した施設構成は文化的な新地平として注目を集めている。

だが、開業直後より一部の利用者の間で、「奇妙な囁きが聞こえる」「地下から重低音のような震動がある」といった証言がSNS上で散見され始めた。最初は都市伝説めいた話題として受け止められていたが、4月23日午後11時過ぎ、都内を中心に発生した瞬時電圧低下――いわゆる「瞬間停電」が、一部の専門家たちの注目を集めることとなった。

停電の中心にあったのは、原宿・神宮前交差点一帯。つまり、ハラカドの直上である。

東京電力では説明不能の“異常共鳴”

東京電力パワーグリッドはこの停電について「設備の故障や自然災害によるものではない」と説明し、外部からの物理的要因を否定した。しかし、独立系オカルト研究団体「深淵観測所」によると、停電発生直前、原宿・神宮前の地下空間では超低周波の共鳴波が検出されていたという。

「この波形は人間の作り出せるものではない。自然界のものとも異なる。地殻の振動やプレート運動とも一致せず、まるで“何か巨大なものが覚醒しかけている”ような兆候だ」と語るのは、同研究所主任の蒼月洸(あおつき・こう)博士である。

蒼月博士は、神宮前の地下深くには、かつて明治時代の陸軍によって封印された“旧支配者の祭壇”が存在すると主張する。

「我々は旧記録に残された“Y・N計画”に注目している。これは“ヨグ=ソトース・ノード・プロトコル”の略称であり、異次元存在と接続するための古代儀式を模した研究が行われていた。今回の施設建設で、封印の一部が無意識のうちに破られた可能性がある」

ハラカド入居テナント、複数の“異常現象”を証言

現地取材に応じたあるギャラリー運営者は、匿名を条件に以下の証言を提供した。

「オープン準備の際、夜中の3時ごろに搬入作業をしていたら、壁に不規則な模様が浮かび上がっていたんです。最初は照明の加減かと思ったんですが、あれは“文字”でした。後日、知人の研究者に見せたら、“ルルイエ語の断片”に類似していると言われました」

また、ある書店スタッフは、「地下フロアで不定期に発生する“生臭い海藻のような匂い”」や、「無人の展示ブースから発せられる低いうなり声」について言及している。

中でも注目されるのは、施設内にある人工温泉施設「小杉湯原宿」での証言だ。数人の入浴客が、湯船の中から「粘液にまみれた無数の眼」がこちらを見つめていたと語っており、一部客が原因不明の発疹や幻聴を訴え医療機関に搬送された。

地震と鼓動、都市に近づく“星の時”

さらに、4月24日夜に関東一円を襲った震度4の地震との関連性も囁かれている。気象庁はプレート型地震と発表しているが、観測された震源は“断層構造の存在しない領域”であり、地下深部から広がる「拍動波」のような現象が記録されている。

この現象について、東京大学の名誉教授・古川典仁氏(地質民俗学)は、以下のようにコメントする。

「古文書に記された“星の時”――すなわち、地上と深淵の時空が重なる周期が、現代の暦と照合するとちょうどこの週だった可能性がある。原宿一帯は、江戸時代の『水蛸封印塚』の跡地とも重なり、かつて“海より這い出でし無名のもの”が封じられていたとも伝わっている」

異界の商業施設、ハラカドは“門”なのか?

現在、施設管理会社および関係各所は「そのような噂は確認していない」と否定しているが、公式HPでは「4月26日より一部エリアの改装に伴う立ち入り制限」が発表されており、実質的な“封鎖”が行われている。

専門家たちは、施設の基礎部分に使用された“再生コンクリート”の一部に、明治期の神宮石造神殿の遺材が混ざっていた可能性を指摘しており、「古きものの記憶」が甦ったのではないかと警鐘を鳴らしている。

“ハラカド”とは「原宿の角」を意味するという。しかし、この“角”とは何かの一部に過ぎず、見えているのは氷山の一角なのかもしれない。

現在、ネット上では「クトゥルフ・ハラカド説」が急速に広まりを見せており、SNSでは #原宿の囁き や #ハラカドの眼 などのタグが日々拡散されている。

夜の原宿には、今夜も何かが蠢いている――。

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