※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。
解けた雪の下から現れた「それ」
2月16日、札幌市南区の藻岩山麓で、登山客が異様な発見をした。雪解けが進んだ地表に露出したのは、青白い半透明の球体のようなもの。その表面には未知の文字が刻まれ、不気味に光を放っていたという。
「まるで脈打つように光が波打っていたんです。最初は氷の塊かと思ったんですが、近づくと、球体の中に……目が、いや、それ以上の何かが蠢いていました」
目撃者の一人はそう証言し、以降、意味不明の言葉を繰り返し呟くようになった。彼はその後、精神の錯乱を訴え、市内の病院に搬送されたが、医師は彼の症状を「言語化不可能な恐怖によるショック状態」と診断した。
球体はすぐに専門家の手により回収されたが、その処理にあたった学者も不可解な失踪を遂げたとの噂がある。
支笏湖まつりの異変と崩壊
毎年、多くの観光客を魅了する支笏湖まつりは、今年、突如として中止が発表された。理由は「暖気による氷の脆弱化」とされているが、現地の警備員が匿名で語った話は、より禍々しいものだった。
「氷像がね……動いたんですよ。ほんの少しだけど、確かに蠢いたんだ。最初は目の錯覚かと思ったが、ほかのスタッフも見ていた。しかも、氷の中に埋まった気泡が、人の顔みたいに見えた。俺は怖くなってすぐ逃げたけど、その夜、祭りの会場から変な音が聞こえたって話を聞いたよ」
実際、まつり会場では夜間に奇妙な振動が観測され、地盤が不自然に隆起した形跡が見つかったという。だが、その詳細は当局によって伏せられ、氷像の崩壊を理由に祭りは打ち切られた。
大雪の襲来と「異形の影」
2月16日、急激な寒気が札幌を襲い、猛吹雪が市内を白く包み込んだ。視界が奪われるほどの地吹雪の中、一部の住民が「黒い影のようなもの」を見たと証言している。
「ビルの間に、奇妙なものが揺らめいていたんです。いや、影のような、人のような、でも違う何かでした。僕は凍えそうな寒さの中、動けなくなり、その影がこちらに向かってくるのを見てしまった。叫ぼうとしたけど声が出なかった。気がついたら朝になっていて、影は消えていたんです」
同様の証言は他の地域でも聞かれ、特に豊平川沿いや大通公園付近で多数報告されている。しかし、公式な調査は行われていない。
札幌国際大学の不可解な裁判と学者の警告
16日、札幌国際大学で解雇無効の判決が下された教授、大月隆寛氏は、裁判後の記者会見で奇妙な発言を残した。
「この街はもう終わりだ。氷の下には、それが眠っていたのに、我々はそれを呼び覚ましてしまった。人は忘れようとする。だが、それは忘れられることを許さない。やがて、札幌は異形の門となるだろう」
彼の言葉は支離滅裂であり、一部の記者からは精神不安定と見なされたが、学内の関係者によれば、彼は長年「北海道の先住民伝承と未知の存在」に関する研究を行っていたという。そして、彼が解雇される直前には「氷の下のもの」についての論文を発表しようとしていたとの情報もある。
さっぽろ雪まつりの異変
今年75回目の開催となったさっぽろ雪まつり。しかし、例年の華やかな雰囲気とは裏腹に、不可解な出来事が相次いだ。
最も異様だったのは、大通公園に設置された「北海道庁旧本庁舎」の大雪像に関する報告である。祭りの終了直前、市民の一部が雪像に「目がついた」と訴えたのだ。
「最初はただの照明の反射だと思った。でも、目が合った瞬間、頭に直接何かが響いたんだ。言葉ではない、ただの圧倒的な存在感が……!」
その後、雪像は翌朝には倒壊していた。しかし、その崩壊後に現場を見た者によれば、雪の中に「巨大な骨のようなもの」が一瞬だけ露出していたという。だが、公式な発表では「通常の雪像崩壊」であり、特に異常はなかったとされている。
コメント