※注釈※
この記事は、クトゥルフ神話の世界観に基づいた完全な創作フィクションです。
現実の出来事や人物とは一切関係ありません。
桜満開の名古屋城に“呼び声”——中央新幹線工事地で発見された謎の碑文、そして疫病鎮まる街に忍び寄る旧きものの影
春の陽気に包まれ、名古屋の桜が満開を迎えた3月末。名古屋城の周囲には例年通り多くの観光客と市民が訪れ、花見を楽しむ光景が広がっていた。だが、その穏やかな風景の背後で、名古屋の地には「旧きもの」の影が静かに忍び寄っていた。
中央新幹線工事現場にて「意味不明の碑文」発見
3月29日、中央新幹線のトンネル工事に関する会見において、JR東海は静岡工区の工事難航により開業の延期を発表した。その裏で工事作業員らの間では、奇妙な噂が広まっていたという。
愛知県豊田市と岐阜県中津川をつなぐ区間で地中掘削中、地表下約40メートル地点から、漆黒の石板が発掘された。石板には未知の文字列が刻まれており、その一部は「ファルグルナ=タゴン」「イア!ナフル=ケフル」などと読めるとされる。
名古屋大学の古文書研究チームが調査にあたったが、「この文字体系は、地球上のいかなる古代文明にも一致しない」とし、現在は学外の専門機関に解析を委託中とのこと。
同日、石板を直接目にしたとされる工事関係者のひとりが突如として精神錯乱を起こし、「水底から呼ばれている」「真の城が目覚める」と叫びながら名古屋港へと走り出し、以降行方不明となっている。
コロナ感染者激減、「疫病を喰らう神」の顕現か
市内ではこの時期、新型コロナウイルスの新規感染者数が目に見えて減少していた。保健当局はこれを「市民の対策意識の高さによるもの」と説明しているが、一部医師の間では、奇妙な一致がささやかれている。
「感染者が急減し始めたのは、あの“石板”が掘り起こされた直後からだった。何か別の力が働いているのではないか」
さらに、名古屋市南区の病院では3月30日夜、入院患者5人が同時に悪夢を見て叫び出す騒ぎがあった。患者たちは共通して「黒い鱗の祭司が、疫病を吸い上げながら這い寄ってくる」と語っており、その姿は“クトゥーグァ”あるいは“イタクァ”と記された古代書の記述に酷似していた。
名古屋城周辺で「呼び声」報告続出、桜の下に潜む何か
3月30日から4月2日にかけて、名古屋城を訪れた観光客の中から十数名が「妙な音が聞こえる」と訴えた。その音は風の音に混じるような低い囁きで、「クトゥルフ・フタグン」「イア・イア」のような断片が含まれているという。
名古屋市は一時的に城の一部立ち入りを制限する事態となったが、報道機関には「花粉症による聴覚異常」「過労による集団幻聴」として説明がなされた。
しかし現場の警備員の一人は取材に対しこう語った。
「あれは幻聴じゃない。地面の下から響いてたんです。しかも…桜の根元、なにか鼓動みたいな音もしてました。木が…生きてるみたいに動いていたんです」
名古屋グランパスの快進撃と「夢を見た選手」
Jリーグで連勝を重ねていた名古屋グランパスの選手の中にも異変が起きていた。4月2日の試合後、決勝点を決めた新加入FWが記者会見で「最近、同じ夢を何度も見る」と語った。
その夢とは、闇の中に沈む都市で、巨大な存在が見上げる彼を「選びし者」と呼ぶというもの。「自分の体が鱗に覆われ、空を飛んでいる感覚だった」と話すこの選手は、翌日から体調不良を訴えて出場を辞退。その後、医師の診断でも原因不明の発熱と皮膚の硬化が確認された。
クラブ側は「一時的な体調不良」としているが、一部ファンの間では「クトゥルフに祝福された」として逆に神聖視する動きすら出ている。
市内で発生した交通事故——事故現場に残された“触手の跡”
4月3日、中区で発生した乗用車と自転車の接触事故に関しても、奇怪な証言が残っている。目撃者の話では、「車が止まろうとした瞬間、道路の隙間から何かが伸びてきてタイヤを引きずった」とのこと。
事故現場に到着した警察官の一人は、「路面に奇妙なスライム状の物質が残っていた」と証言。その物質は数時間後には完全に蒸発していたという。科学的な検出は行われたが、既知の化学物質とは一致しなかった。
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